世界で最初に名前がついた恐竜は?「恐竜」という言葉が生まれた歴史と最初の3頭
「恐竜」という言葉がなかった時代
現在では誰もが知っている「恐竜」という言葉ですが、かつては地球上に存在しない言葉でした。19世紀の初頭、イギリスの鉱山や地層から巨大な骨の化石が次々と発見され始めたとき、当時の人々は「大洪水で溺れた巨人の骨」や「伝説のドラゴンの遺骸」ではないかと大真面目に考えていたのです。 そんな中、奇妙な化石を科学的に分析し、歴史上初めて正式に名前(学名)を与えられた「最初の恐竜たち」がいました。それが「メガロサウルス」「イグアノドン」「ヒラエオサウルス」の3頭です。
世界初の学名:メガロサウルス(1824年命名)
歴史上、最も最初に正式な学名が与えられた恐竜は、肉食恐竜のメガロサウルス(Megalosaurus)です。 1824年、イギリスの学者ウィリアム・バックランドが、オックスフォードシャー州で見つかった巨大な顎と歯の化石をもとに「メガロサウルス(巨大なトカゲ)」と命名しました。当時はまだ二足歩行する恐竜の姿は想像されておらず、ワニやオオトカゲをそのまま巨大化させたような四足歩行の怪獣として描かれていました。
歯の発見から始まった:イグアノドン(1825年命名)
メガロサウルスに続いて、世界で2番目に命名されたのが植物食恐竜のイグアノドン(Iguanodon)です。 1822年、イギリスの医師ギデオン・マンテルとその妻メアリー・アンが、道路の砂利の中から奇妙な歯の化石を発見しました。マンテルはこの歯が現代の爬虫類「イグアナ」の歯にそっくりであることに気づき、1825年に「イグアナの歯」を意味する「イグアノドン」と名付けました。 当初、マンテルは発見された鋭いスパイク状の骨を「鼻の上の角」だと勘違いし、巨大なイグアナのような復元図を作成しました。しかし後の発見により、このスパイクは鼻の角ではなく「親指の爪」であり、身を守るための強力な武器だったことが判明しました。
3番目の鎧竜:ヒラエオサウルス(1833年命名)
3番目に名前がついたのは、初期の鎧竜(アンキロサウルス類)であるヒラエオサウルス(Hylaeosaurus)です。 1832年、ふたたびギデオン・マンテルによってイギリス南部のウェスト・サセックス州で発見され、翌 1833 年に「森のトカゲ」を意味する「ヒラエオサウルス」と命名されました。背中に並ぶ鋭いトゲや骨質のプレート(装甲)が特徴で、植物食恐竜が肉食恐竜から身を守るための頑丈な防御用パーツを持っていたことを示す最初の証拠となりました。
「恐竜(Dinosaur)」という言葉の誕生(1842年)
これら3頭の発見からしばらくの間、それぞれは「珍しい巨大爬虫類」として個別に扱われていました。しかし1842年、イギリスの偉大な解剖学者リチャード・オーウェンが、これら3頭の骨格に共通する特徴(直立に近い頑丈な脚、融合した仙椎など)に着目しました。 オーウェンは、これらは単なるトカゲの仲間ではなく、すでに絶滅した全く新しい爬虫類のグループであると確信し、ギリシャ語の「deinos(恐ろしい、凄まじい)」と「sauros(トカゲ)」を組み合わせ、「Dinosauria(恐竜類)」という新たな分類グループを提唱したのです。これが、私たちが今日使っている「恐竜」という言葉の歴史の始まりです。
歴史を創った最初の3頭のスペック
| 恐竜名 | 命名年 | 名前の意味 | 食性 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| メガロサウルス | 1824年 | 巨大なトカゲ | 肉食 | 世界で最初に命名された肉食恐竜 |
| イグアノドン | 1825年 | イグアナの歯 | 草食 | 親指の鋭いトゲ(スパイク)で自衛 |
| ヒラエオサウルス | 1833年 | 森のトカゲ | 草食 | 背中のトゲや装甲(最初の鎧竜) |
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